5 近代化と感情

  
近代化というプロセスを構成する多様な社会現象・・・・・・感情文化の変容プロセス

感情文化の変容様態

    ある「感情的事象(感情規則)」を主題化(非主題化)・問題化する
    ・・・煽動的にあるいは禁止的に

51 エリアスの文明化論ー感情文化の禁止的変容

   文明化とは衝動を抑制することであり、その抑制が外的抑制から内的抑制(自己統御)へ移行するプロセスである。

【心理生成と社会生成(国家の成立、分業の高度化、市民社会の成立)の対応】

52 フーコーの主体論ー感情文化の煽動的変容

   監視と告白の技術による主体=従属の生成論において、『私』の内面が特権的な主題となり、権力の照準になる。「〜を感じる、〜の感情体験の主体」が成立させられる。特定の新たな感情規則を内面化することで、たとえば、「愛する主体」として自分を認識し、自分自身が愛する主体になる。

近代化をフロイト的な感情抑圧の歴史観では捉えない、むしろ、近代人は、『感情』を発見して、感情を自己との関連で反省する主体になった。

53 感情文化の変容モデル

感情の社会的問題化(諸言説と諸実践ー倫理、政策、主義、科学、啓蒙・・・既存の感情規則の再検討)~      

社会的感情管理(明示的制度的な制裁ー法的道義的介入、教育、しつけ)

個人的感情管理(自己統御)